熱帯夜 =2=
「御崎さんたちは、今日も遅いの?」
あたしの足をそっと床に下ろして立たせてから、先生が聞いた。
先生は、パパのことを「御崎さん」と呼ぶ。
世間的には学校にも友達にも内緒のあたし達の関係だけど、以前ちょっとした事件があって、それ以来あたしのパパとママには公認だ。
パパなんか「荻野先生を御崎家の婿に」って、今から大張り切りしてるくらいのお気に入り。
「うん、そうみたい。先方のお家で会食して、多分お酒も出るって言ってたから」
「会社経営者っていうのも大変だね。こんなところに来てまで、毎日毎晩、接待したりされたりしなきゃならないなんてさ」
先生が、シャワーを浴びたばかりでまだ湿っている前髪をかき上げながら言う。
「パパやママはそれが好きでやってるんだからいいんだよ。それに、そのおかげでこうして先生とずうっと2人きりでいられるし」
「そうだね。それには大いに感謝しなきゃね」
艶っぽく笑った先生の長い腕が、あたしの全身を包むように抱きしめる。
この瞬間、あたしはいつも嬉しいような切ないような複雑な気分になる。
ああ、あたしはこれからこの人に抱かれるんだって思うと、心臓がバクバクして苦しくなる。
目の前に、先生の裸の上半身がある。
細身だけど、ほどよく筋肉がついてて、腕とか逞しくて男の人なんだなって感じ。
「先生、大好き」
背中に腕を回してぎゅっと抱きつくと、お互いの鼓動がひとつになって、このまま溶けてしまいそう。
先生が欲しい、今すぐにでも。
形良く引き締まった腰にはタオルが巻かれていて、多分その下には何も着けてない。
今は慎み深く覆い隠されているソノ部分を想い、あたしは胸を熱くする。
「柚月……僕に、触れて?」
低い声で囁かれて、あたしは素直に先生の前に跪く。
白いタオルを解き、すでに怒張したソレを掌で包んだ。
「あ、すごく元気」
先生のコレ、好きだ。
大きくて、硬くて、熱くて、少し斜め上を向いて勃ち上がるソレは、他では得ることのできない快感を与えてくれる。
頬擦りして先端に軽く口づけると、先生が小さく嘆息して、あたしの頭を押さえつけた。
硬い肉茎の根元に手を添えて、赤い先端を口に含む。
ココ、艶々しててすごく敏感そう。
頬を窄めてちゅっと吸ったら、ぴくんと跳ねた。
「ぅん……」
先生の声、女の子みたい。
それから、先端だけを口に入れたまま、舌を動かして括れの部分を舐め回す。
「ん、はっ」
先生、気持ちイイのかな。
一気に口の奥まで咥え込んで、頭を上下させてみた。
あたしの動きに合わせて、髪を掴んだ先生の手も上下する。
顔を左右に振ってソレを口腔内で扱きながら、舌で反り上がった裏側の部分を刺激すると、先生が切なげな吐息を漏らした。
上目遣いで先生の顔を窺うと、少し辛そうに眉を寄せて何かを耐えてるみたい。
女のあたしが男の先生のことをこんな風に言うのは変かも知れないけど、こういう先生の顔、すごく色っぽくて好き。
両手で先生の細い腰を抱きしめて、もっと奥へと怒張を咥え込む。
閉じ切れない唇の端から、涎が垂れて顎から喉へと伝った。
「ゆ、づき……」
先生の指が、顎の線をなぞって零れた唾液をすくい取る。
離れていく指の動きを追って眼を上げたら、先生はあたしの顔を見つめ返したたまま、自分の指をゆっくりと舐めた。
それだけのことなのに、なんだかすごく卑猥に見えた。
「イイよ、柚月。上手だ……」
先生に褒めてもらうと嬉しい。
もっともっと気持ち良くなって欲しいと思う。
口から出して見たら、ソレは弾けば音がしそうなくらいに緊張して反り返っていた。
鈴口から、透明な液が溢れてる。
あたしは舌を出して、それを舐めた。
「うぅん……」
先生の指がぐしゃぐしゃとあたしの髪を掻き回す。
「気持ちイイ?」
「うん……」
「先生がイイ気持ちならあたしも嬉しい」
きゅっと締まった袋の後から、筋の浮いた肉茎に沿って舌を這わせ、辿り付いた先端部を強く吸う。
「んぁっ」
裏側の窪んだところを、わざとレロレロって感じで舐め回すと、舌が這う度にソレが跳ねて、その様子がすごくかわいくて愛しさが湧く。
好き。
大好き、先生。
しばらく夢中でそれを続けていたら、先生の指が私の顎を擽った。
「ねえ、柚月……」
「なあに?」
「君の口で、出しても良い?」
「うん、いいよ。先生のせーえき、いっぱいちょうだい」
あたしは喉を開いて、先生を奧まで迎え入れた。
片手で肉茎の根元を握り締め、もう片手は袋をやわやわと揉みながら、頬を窄めて口中できゅっきゅっと扱き上げる。
あ……おっきくなっ……。
「はあっ、くぅ……」
先生の腰が震えて、それから生暖かい液体が口の中に注ぎ込まれた。
あたしは夢中でそれを飲み込むけど、すごい勢いでどんどん溢れくる。
ちょっぴり青臭くて、ほんのり苦くて、そしてものすごくいやらしい味。
でも嫌じゃない……だって、先生が気持ち良くなってくれた証拠だから。
「はぁ……」
やっとのことで全部を飲み込んで、涙目になって先生を見上げたら、先生は本当に満足そうな顔でニッコリと笑ってくれた。
つづく
2012年09月23日 微エロ妄想さんに25のお題 トラックバック:- コメント:0