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こんにちは♪ ようこそおいでくださいました。
こちらは、【あまく、せつなく、ちょっぴりえっち】をベースにしたオリジナル恋愛小説ブログです。
作品の一部に性描写(R18程度)を含みますので、年齢の満たない方・嫌悪を感じる方は、閲覧をご遠慮ください。掲載作品を読んで、ご気分を害されたり、トラブルが起きたとしても、当方では一切の責任を負いません。
以上のことをご理解の上、閲覧される良識のある方は、この下のメニューからお楽しみください。
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はじめにお読みください に追記がありますので、そちらをご覧ください。
BGM(男子高校生×音楽教師) 7月20日、連載開始しました。
はじめにお読みください | 登場人物紹介 | 簡単な紹介文付き主なお話の一覧
現在掲載中のお話はこちら。
のついたものはお話の一部に性描写を含みますので、年齢の満たない方やそういった表現の苦手な方はご注意ください。
【 目次 】を押していただくと、物語の扉ページが開きます。
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【1話から読む 】を押していただくと、物語の最初のページ(第1話)が開きます。
文末の「つづく」を押しながら、順番に読み進むことができます。
■ Addicted To You
[数学教師×女子高生](完結)
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■ Sweet Emotion
[太陽×柚月](完結)
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■ Home Sweet Home
[太陽×柚月](完結)
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■ For The Moment
[太陽×柚月](完結)
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■ Addicted To You 番外(季節イベント・キリリクなど)
[太陽×柚月]
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■ 微エロ妄想さんに25のお題
[太陽×柚月専用お題]
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■ ill-matched ?
[俺様御曹司×家出少女](完結)
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■ beloved
[幸太郎×佐和子](完結)
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■ いつも、いつまでも
[幸太郎×佐和子](完結)
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■ ill-matched ? 番外(季節イベント・キリリクなど)
[幸太郎×佐和子]
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■ ペットを躾ける10のお題
[幸太郎×佐和子専用お題]
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■ みんなの萌え台詞と萌えシチュで20のお題
[幸太郎×佐和子専用お題]
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■ HAPPY-GO-LUCKY
[男子高校生×英語教師](完結)
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■ Love is...
[翼×美穂](完結)
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■ HAPPY-GO-LUCKY 番外(季節イベント・キリリクなど)
[翼×美穂]
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■ Love, Truth and Honesty
[アイドル×女子高生](完結)
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■ Precious Delicious
[蒼×藍 番外編](完結)
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■ SCOOP! [蒼×藍 番外編](完結)
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■ know thyself
[男子高校生×風俗嬢](完結)
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■ Blind Spot
[直人×美桜 番外編](完結)
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■ 弥生ちゃんのヒメゴト
[やくざ×女子高生](完結)
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■ BGM
[男子高校生×音楽教師](連載中)
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■ Daily Life
[キャラいろいろお題]
目次
■ 8 Titles
[キャラいろいろお題]
目次
■ ありふれた日常で30のお題
[キャラいろいろお題]
目次
■ 拍手お礼SS置場
目次
■ 妄想50題(拍手お礼SS置場)
目次
■ 駄文置場
目次
■ calm
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BGM =9=
付き合うようになったばかりのころ、彼女のことを(兄貴がしていたのと同じように)千尋と呼んで良いかと聞いたことがある。
彼女はちょっと考え(るふりをし)てから、だめよと言った。
「うっかり学校で呼んじゃったりしてごらんなさい、大変なことになるわ」
と言う彼女の説はもっともで、俺は渋々頷いた。
だが、それで諦めるほど素直じゃない。
「じゃあ、ヒロはどう? ヒロって呼び名から、ぱっと千尋を連想するやつは、そうそういないと思うけど」
「んー、そうね、それならいいかも」
「よし、決まりだ」
俺は浮かれていた。
なんといっても、初恋の女性と結ばれたのだ。
しかも、その人は今や自分の通う高校の教師で、ふたりの関係はいわゆる禁断の恋。
秘密めいた暗号のようなその呼び名も、俺の心をわくわくさせた。
もちろん、学校では慎重にしなければならない。
誰かに関係を悟られるようなことは、絶対にあってはならない。
だけど、この学校の豪華な設備ときたら、まったくいろいろな意味でお誂え向きなのだ。
例えば、音楽室のある特別教室棟の、しっかり防音機能が施された個別の練習室。
あそこならふたりきりでこもっていたって、外には話し声ひとつ漏れることはない。
そんなことをあれこれ想像して、ひとりでにやける日々を過ごした。
けれども、彼女は、この状況を手離しで楽しんでいたわけではなかった。
いくら旧知の仲だとはいえ、教師と生徒であるふたりが恋愛関係になるなど、当然ながらあって良いことではない。
加えて、彼女の方には、俺の兄貴に対する負い目――心残りや未練と言った方が正しいかもしれない――もある。
あんな事故に遭ったことを考えれば、その後の人生を何の屈託も葛藤もなく謳歌できると思う方が難しい。
エトセトラ、エトセトラ……。
また、彼女と親しくなってから、はじめて気づいたことがある。
彼女は、気分にとてもむらのある女性だということだ。
俺たちがこうなる最初のきっかけが、寂しさに飲んだ勢いも手伝って彼女の方から、というものだったせいもあるだろう。
朝になって正気を取り戻した彼女は、取り返しのつかないことをしてしまって悪いと思ってる、でもお互いのためにも忘れた方が良いみたいなことをくどくど言った。
それでも、俺が頑として聞かなかったから、最終的に根負けした彼女が折れた。
どちらちにしろ、長く続けられる関係ではないと踏んでいたのかも知れない。
とにかく、俺たちは付き合いはじめたのだが、女というものがこんなにも面倒な生き物だなんて、ガキの俺は知らなかった。
必要以上に甘えてべたべたしたがるときがあると思えば、ひどく疑り深くなってやたら束縛しようとしたり、逆に気乗りがしないと言って何日も会おうとしなかったり。
彼女の心の中では、そこに至るプロセスがちゃんとあるのだろうが、表出するのはいつも突然なので、その度に俺は面食らったり困惑したり、苛ついたりした。
別れようとか終わりにしようとか言い出すのも、大抵は前触れもなくいきなりだ。
今でこそ、いなし方も覚えてスルーすることができるようになったが、それまでは結構なストレスだった。
彼女はまだ、両手で顔を覆って泣いている。
俺は彼女の側に行って、その肩を抱いた。
「なあ……、本当に俺と別れたいと思ってんの」
「いつまでも続けられる関係じゃないの、洋介だってわかってたでしょ」
「今までもずっとやってこれたんだから、これからも続けられるよ」
「だってあなた、もう卒業じゃない」
「俺の卒業とこれと、何の関係があるんだよ」
どこか地方や遠くの大学へ行くわけじゃない、付属の明慶学院大学に進学するだけだ。
むしろ、俺が生徒でなくなれば、今よりずっと大っぴらに付き合えるようになる。
俺がそう言っても、彼女は首を横に振った。
「潮時だと思うの……洋介が卒業したら、別れましょう、私たち」
「勝手なこと言うなよ」
「ごめんね、でも、もう決めたことだから」
決めたことだから。
俺のいないところで。
彼女ひとりで。
頭にきた。
彼女はいつも、肝心なとき、俺がそこにいないみたいに振る舞う。
彼女の前にいて、動き、声を発しているのに、視界の外へと追いやられてしまう。
冗談じゃない。
俺が卒業したら?
上等だ。
だったら、意地でも卒業なんてしてやるもんか。
つづく
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2017年08月12日 BGM トラックバック:0 コメント:0
BGM =8=
「ねえ、もう終わりにしよう、こんなのやっぱり良くないよ」
情事のあと、髪を梳かしながら彼女が言う。
「お前、その台詞もう何千回目だよ、聞き飽きたし」
それを聞いた彼女は、必要以上に大きな音を立ててブラシを置き、鏡越しに俺を睨んだ。
「今回は本気なの」
俺は、ベッドに仰向けで寝そべったまま、煙草に火をつける。
「あ、そう。それで、今回は何が良くないと思ってんの、付き合ってる男が死んだ元彼の弟だってこと? それとも、教え子だってことの方?」
今回は、のところをわざと強調して言うと、彼女はさらにムッとした顔になった。
「嫌な言い方する人ね」
「お前が、毎度毎度こうやって蒸し返すからだろ、いい加減にしろよ」
「そんな風に言うことないじゃない、私はお互いの将来のことも考えて――」
俺がいきなり起き上ったものだから、彼女はびくりとして言葉を切った。
俺は、吸いかけの煙草を灰皿に押し付けて消した。
「わかったよ、じゃあ別れよう」
「……え?」
「え、じゃないだろ。お前がそのつもりなら別れようって言ってんの」
「なによ、全部私が悪いみたいな言い方しないでくれる」
感情が高ぶったのか、彼女の声が大きくなる。
俺は早々に面倒になってきて、彼女に向かってわざとらしく溜息を吐いて見せた。
「誰も、そんなこと言ってないだろ」
「わかってるの、全部私が悪いんだから、何もかも私のせいなんだから、私が……」
彼女の涙を見るのが嫌で、俺はそっぽを向いた。
案の定、私が悪い私が悪いと繰り返しながら、彼女はめそめそと泣きだした。
最初のうちこそ、俺もそんなことはないと慰めたり、宥め賺したりしたが、最近では、子供の癇癪が収まるまでやり過ごす母親みたいに、彼女が泣き止むのを待つだけだ。
俺たちの間で、別れる別れないの話が出るのはこれがはじめてではない。
こういうのを情緒不安定と言うのだろうか。
彼女は時どき、思いついたように俺たちの関係を気に病んでは、別れ話めいたものを切り出すのだ。
実際、距離を置こうとしたことも1度や2度じゃない。
けれど、その度にいつの間にか元鞘に収まってしまう。
くっついたり、離れたり。
そんな関係が、もう2年ほども続いていた。
再会してすぐ、付き合うようになったわけじゃない。
秘密を共有してはいたけれど、彼女はなかなか俺に心を開いてくれようとはしなかった。
むしろ、彼女はどの生徒に接するよりも、俺に対してよそよそしかった。
1年の冬休みがはじまったばかりの頃だったと思う。
夜中、俺の携帯電話が鳴った。
電話をかけてきたのは彼女だった。
通話口から酒のにおいがプンプンしそうな、呂律のまわらない口調で、彼女は言った。
寂しいの、と。
続く彼女の話はまったく要領を得ず、住所を聞き出すのさえひと苦労だったが、何はともあれ、俺は彼女の部屋に駆けつけた。
玄関を開けた彼女は、明らかに酔っていた。
涙で顔中ぐちゃぐちゃにした彼女は、靴さえ脱いでいない俺に抱きついて、冬は嫌いだと言って泣いた。
兄貴が死んだ季節だからだ、と俺は思った。
彼女は、兄貴のことが忘れられないのだ。
それでも、彼女が正体を失くすほど酒を飲み酔わずにはいられなかったとき、それほどまでに寂しかったとき、俺に電話をくれたこと、俺を頼ってくれたことが、うれしかった。
兄貴とは、顔だって性格だってこれっぽっちも似ちゃいないけど、ピアノだって弾けやしないけど、俺が代わりになってやるよ。
あんたが寂しいとき、誰かに縋りたいとき、いつだって俺がとなりにいてやるよ。
だからもう、泣かなくていいよ、千尋さん。
そしてその夜、俺たちは結ばれた。
つづく
2017年08月06日 BGM トラックバック:0 コメント:0